2月2日に食べるのは…
1月はあっという間に「行き」、
2月を迎えましたね。
フランスの祝祭菓子の世界も
ガレットデロワから次の主役に移ります。
クレープです!
なぜクレープなのか…
その理由を紐解いていきましょう。
日本では2月3日が節分ですが、
フランスでは2月2日が
Chandeleur(シャンドルール/
ろうそく祝別の日)と呼ばれる
キリスト教の祝祭日に当たります。
キリストの御母マリア様の
「床上げ」の儀式に由来し、
「マリア様お清めの日」と呼ばれることも。
キリストがエルサレムの神殿に
初めて捧げられたのが
この日であるとも言われています。
フランス語のchandelle(ろうそく)が
語源ですが、
ローマ時代、「キャンドルの祭り」が
この日に行われており、
一晩中ろうそくの火を絶やさずに
ローマの街を歩く習わしがあり、
いつしかキリスト教化されたようです。
このときに法王が巡礼者たちに
ウーブリと呼ばれるお菓子や
ガレットをふるまったと言われますが、
クレープの習慣は
そこに端を発しているようです。
またこの時期は徐々に日が延びるころで、
クレープの黄色い円形は
太陽の象徴でもあったのでしょう。
今では宗教的意味合いよりも
「クレープの日」のイメージが強く、
フライパン片手に金貨を握って
クレープをひっくり返し、
成功したら願いが叶うと言われています。
地方に目を向けると、
ユニークなのがマルセイユ。
「ナヴェット」という
小舟の形の焼き菓子を
2月2日に食べる習慣があります。
オレンジの花の水で香りを付けた
素朴なお菓子です。
昔、マリア像が乗った小舟が
この地に流れ着き、
これを海の守り神であると信じた住民が
サン=ヴィクトール寺院に
この像を祀ったことを
お菓子に表現したのだそうです。
1781年創業の
「Four des Navettes」のナヴェットは
巡礼者たちが道中食べられるようにと
固めのスティック状に焼き上げてあり、
今でも2月2日に寺院の司教様が来店され、
自らナヴェットをふるまわれるそうです。
このほかにも
ブルゴーニュのモンバール(Montbard)では
「マリオット」と呼ばれる
砂糖がけのパイ菓子の人形が作られます。
空豆やエンドウ豆で
目口鼻などを表現しているとか…
(1軒のパティスリーで
この時期のみに作られていたそうですが、
現在の状況は不明)
ベアルン地方では
クレープにベニエが添えられたり…
その土地土地ならではの
シャンドルールのお菓子が存在します。
シャンドルールが終わると、
カーニヴァル・マルディグラ・復活祭…と
祝祭菓子のシーンも移って行きます。
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