リヨンのビストロのお話を少し…
9月も前半が過ぎ、お教室も再開。
2日間にわたり、リヨンのビストロ料理を
ご紹介しました。
フランスで3番目に大きな都市リヨンは
美食の街としても知られます。
リヨン出身の料理人
故ポール=ボキューズ氏の
名前を冠したマルシェは
初めて訪れたときの高揚感は
忘れることができません。
そのようなリヨンを語る際に
忘れてならないのが
ビストロの存在。
Bouchon(ブション=ワインの栓の意味)
街の至る所で見かけます。
古くからリヨンは
フランスの絹織物の中心地として
そこで働く職人(カニュと呼ばれます)の
胃袋を満たしてきたのがブション。
早朝から働く彼らが、
昼食前に小腹を満たすためにとる軽食を
Mâchon
(マション=もぐもぐ食べるという単語が起源)と呼び、
それを提供するのがブションだったのです。
当時ブションを経営していたのは
ブルジョワ層の家庭に
雇われていた彼女たちが
1929年の金融危機により、
生計を立てる道として
ビストロを開いたのです。
料理上手な女性のことを
「コルドン・ブルー」と呼びますが、
リヨンの女性料理人に
「女性の経済的自立」という観点からも
興味深い彼女たちの存在です。
中でもその礎を築いたことで知られる一人が
メール・ブラジエ(Mère Brazier)。
ミシュランの三つ星を獲得し、
先述のポール=ボキューズ氏はじめ
数々のシェフがここで修行をしました。
先日偶然に、
定番のリヨン料理はもちろんのこと、
フランス全土の
興味深いメニューが名を連ね、
その豊富なバリエーションにびっくり!
彼女たちが支えてきた
美味しいビストロ料理が
リヨンの人々の胃袋を満たすと同時に
美食文化を育ててきたのだなぁ…と
思い至るのでした。
現在リヨンは
更なる発展を遂げようとしています。
このブション文化も廃れることなく
継承と発展を続けてほしいと思います。
かつてのマションの時間(午前中)の営業を
続けているブションも
いくつかあるようです。
次の訪問時には覗いてみようかしら?
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