パン・ド・ジェーヌのお話
Instagramでご紹介した
「コロンビエ」に似た顔のお菓子。
名前を「Pain de Gêne 」と言います。
「ジェノヴァのパン」という意味。
…と言っても
イタリアから伝わったのではありません。
生粋のパリっ子です!
1855年のこと、
パリのお菓子の名店「シブースト」で
見習いがアーモンドをすりつぶしたものを
焼いてみたところ、
とても美味しかったことで
生まれたお菓子…
当時は「L’ambloisie 」
(ランブロワジー)と呼ばれていました。
それから数年経ち、
シブーストのシェフが
パリの別の名店にこれを持参したところ、
アーモンドの香り高さから
ジェノヴァでのフランス軍を
支えたアーモンドのエピソードを思い出し、
菓銘を変更したのだそうです。
(詳しくは大森由紀子先生の
『フランス菓子図鑑』をご覧ください)
そんな背景を持つだけあり
アーモンドの香りや味わいを
堪能できるこのお菓子、
昔は量り売りされていたと
文献にも見られます。
フランス人に尋ねたところ、
今ではほとんど見かけないなぁ…
とのことですが、
生地のベースは
様々な焼き菓子に形を変えて
現在に伝わっているのでしょう。
今回はマンケ型を使いましたが、
本来はウネのある型…
タルト型のような…
で焼かれていたようで、
日本の昔懐かしい紙型のマドレーヌは
このお菓子の形に由来しているそうですよ。
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