Brioche de Saint-Genix(ブリオッシュ ド サン=ジュニ)
ブリオッシュ ド サン=ジュニを
焼きました。
ブリオッシュ生地に
プラリネを混ぜ込み焼き上げた
この発酵菓子は
ローヌ=アルプ文化圏の
サヴォワ地方にある小さな町
Saint=Genix=sur=Guiers
(サン=ジュニ=シュル=ギエール)で
19世紀後半に生まれました。
きっかけは村のホテル商
ピエール=ラビュリーと
フランソワーズ=ギヨーの婚姻。
彼女の実家で作られていた
このお菓子を、
ホテルの客にサーヴィスしたところ
評判を呼び、
1867年のパリ万博で
「ガトー・サン=ジュニ」として
紹介するに至りました。
当時はブリオッシュの上に
プラリネをトッピングしただけの
シンプルなものでしたが、
息子フランソワがアレンジを加え、
生地の中にもプラリネを混ぜたことで
更なる評判を呼びました。
当然同業者が模倣し始めた為、
フランソワは商標登録し、
以来プラリネが混ざっているものは
「ガトー・ラビュリー」と
分けて呼ばれています。
私が作ったのはラビュリースタイル?
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このスタイルのブリオッシュや、
プラリネ入りの生地違いの発酵菓子は
周辺エリアでよく見かけますが、
そのネーミングとスタイルの違いまでは
認知していませんでした。
生みの親のお店は今も
サン=ジュニ=シュル=ギエールに
あるそうですので、
いつの日か訪ねてみたいものです。
ところでこのブリオッシュ、
シチリアの聖女アガタの悲話に
インスパイアされて作られたとも
言われています。
シチリア島のローマ総督の求愛を
拒んだことにより、
乳房を切り取られたアガタですが、
彼女の祈りを聞いた聖ペトロが
その乳房を再生。
その後も災難を逃れつつ
最後は獄中で生涯を終えたアガタ。
サヴォワ公が
シチリアを治めることになったのを
きっかけに、
聖アガタの日(2月5日)に
この地方の女性たちが
乳房を模ったこのお菓子を
作り始めたのが起源のようです。
このような話から、
聖アガタはパン職人はもちろん、
乳がん患者や鐘職人の
守護聖人とされています。
ちなみに
使われている赤いプラリネ
(Pralines roses)も
この地方の銘菓です。
下のお写真はリヨンにて。
かつてリヨンを訪れた時、
いたるところでこのプラリネと
加工品を目にしました。
ブション(リヨンのビストロ)の
デザートのイル・フロッタントにも
トッピングされていたなぁ…!
この時朝食に食べたのは、
果たして中にプラリネが
入っていたのでしょうか?(笑)
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