ベラベッカのこと(少し詳しく…)
先週末、日経新聞の土曜版で
ベラベッカが取り上げられ、
フランス地方菓子愛好家の仲間内で
ちょっとした盛り上がりを見せました。
よく考えてみると、これまで私は
日本のパティスリーのベラベッカを
殆ど頂いたことがなく、
これほどまでにヴァラエティに富んだものが
この時期店頭に並んでいるとは軽い驚き…
ランキングに発表されると、
一気に知名度が上がるのでしょうか。
良い機会なので、
ベラベッカがどのようなものか
手元の資料を基に
整理しておこうと思います。
【お菓子の概要】
*アルザス地方のみに見られる
クリスマスのお菓子の構成要素の1つ
*ドライフルーツやコンフィ、スパイスを
パン生地でつないで作られる。
洋梨は大切な要素のひとつ
*小さなバゲット型に成型し、
クルミ・ノワゼット・
フリュイコンフィなどで上面を飾る
【歴史】
*古いレシピなどはあまり残っていないが、
アルザスでは中世から
ドライフルーツやスパイスが
使用された歴史があり、
ベラベッカの起源も古いと想像される。
*19世紀頃からクリスマスのお菓子として
作られるようになったらしい。
【その他】
*クルミやアーモンドといったナッツ類は
実を取り出すときに殻を割るが、
そのことから
中に隠された神様のメッセージを
取り出すことを連想させ、
欠かせないアイテムである。
*当時はクリスマスミサに出かけるに
パンデピス、ヴァンショ、
コンポートなどと共に食されていた。
*朝食として食される時代もあったが、
今ではデザートとして
コーヒーやブランデーと共に
頂くことが多い。
*非常に季節性が高いお菓子であり、
アドヴェントから
1月半ばにかけてのみ売られている。
3年前のこの時期に訪れたアルザスでは
あちこちでベラベッカを見かけました。
おや…
1枚目の写真はSchnitzlaiwelという名ですね。
そうなんです。
現地では呼び名も色々ですし、
作り方も様々のようです。
調べただけでも
Berawecka・Berewecke・Bierawecka
Schnezwecke・Hutzelbrot・Hogaye・
Hoguei・Hoguey・Hogui・Pain aux poires
などなど…!
生地もブリオッシュだったり、
ライ麦を混ぜたりと多様ですし、
フルーツも混ぜ込む他に
ロール状に巻き込んだり
パン生地と交互に重ねて
層にしたりと様々なようです。
フルーツが豊富なアルザスの土地柄に
交易で持ち込まれたスパイスなどの要素が
絡んだお菓子である事はお話してきましたが
更に宗教的な意味合いも絡んで、
この時期のアルザスを彩る
お菓子の一つであることに
間違いありません。
そういった背景も含めて
味わっていきたいですね。
最後に3年前の私のベラベッカのお写真を!
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